設計監理業務
建築物が施主の目的に沿って企画・設計・施工され、適切に運営維持されて行くためには規模や内容にかかわらず次のような段階を追って進められていくことが必要です。当社ではそれぞれの段階に応じて適切なサービスを提供します。
- 1. 企画段階 (基本構想)
建築主と協同して設計の要求項目や与条件を明確にし、建築主が目標とする建築物のイメージを探るための構想計画の検討を行います。また必要に応じて敷地や現況の調査を行います。
- 2. 基本設計段階
要求される内容や与条件をもとに、建築物の基本計画を作り上げます。建物の外観、インテリアの意匠や色彩等のイメージを固めます。また、計画実施に必要な法令や基準、ならびに技術的な検証、工期や工事費のスタディーを行うことにより、建物の完成時の姿を明確にします。
- 3. 実施設計段階
基本設計をデザイン、技術の両面から検討を進め、各種決定を行います。その上で工事発注に必要な設計図の作成を行い、関係行政との詳細な打ちあわせ、手続きが開始されます。
- 4. 施工業者選定・工事契約段階
作成された設計図に基づいて工事が発注されます。建築主が行う工事契約に対し設計の内容が適切に盛り込まれた内容であるか、確認と助言を行います。
- 5. 工事監理段階
工事が契約に基づいて実施される事を確認します。設計図書、仕様書に示された目的物が、定められた工期内に完成するように施工業者と協力し円滑な工事の進捗を図ります。また、この段階では仕上げ材料や色などの最終決定を行います。
- 6. 維持管理体制
建物が設計時に目指した目的に沿って使用され、長期に渡って性能を発揮できるよう適切な維持管理計画を提案します。
開発コンサルティング業務 社会開発プロジェクト室
- 1. 業務概要
社会開発プロジェクト室は、弊社が海外の学校施設建設プロジェクトを実施する上で、建築設計・監理業務だけでなく、従来クライアントとして認識されることの少なかった生徒や教員、学校スタッフ、保護者や地域住民といった幅広いステークホルダーのニーズや教育事情等の把握、関係者のオーナーシップやコミュニティ参加の促進といった視点を取り入れることで、よりニーズに合ったきめ細かい支援を実現することを目的に、2000年に開設されました。現在は教育やジェンダーを専門とするスタッフを中心に、主に政府開発援助(ODA)の無償資金協力による学校施設建設プロジェクトの教育計画調査業務やソフトコンポーネントを通じたソフト支援業務に携わっています。
これまでにアジア・アフリカ・中米・中東を中心とする10カ国以上において、無償資金協力による学校建設案件のプロジェクトの調査およびソフト支援業務を実施した他、国際協力機構(JICA)等の実施する事前調査・情報収集・確認調査・評価調査、モニタリング調査に携わってきました。今後はこうした業務経験を生かし、教育を含む社会開発関連分野の各種調査や新規案件形成等にも積極的に取り組んでいきます。
- 2. 主な業務内容
2.1 調査業務
ODAの無償資金協力で実施される学校施設建設プロジェクトの基本設計にあたり、プロジェクト対象国の教育政策、教育行政、学校、地域の実態やニーズについて幅広く調査を行っています。調査結果を踏まえ、無償資金協力としてのプロジェクトの妥当性を検証すると共に、効果的なプロジェクトの実施にむけて、対象校の選定や協力の規模・内容、ソフト支援の必要性等に関して提言をしてきました。
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<主な調査項目>
- 国家開発計画や教育政策、教育セクター計画
- 教育セクターの現状及び重点課題
- 教育セクターにおける他のドナー国・機関の援助動向
- プロジェクト対象地域の教育事情及び社会経済状況
- プロジェクト実施にあたっての先方の実施体制・実行能力・学校運営・維持管理体制
- 教育機会や学習環境における地域間・男女間格差など
- プロジェクト実施にあたり配慮すべき社会環境
2.2 ソフト支援業務
無償資金協力により供与された学校施設が、より適切かつ長期的に利用されることを目指し、行政及び学校関係者の運営維持管理能力の向上を目的として、タンザニア、フィリピン、東ティモール、ベトナム、イエメン、セネガル、マリ、マダガスカルにおいて、行政・学校レベルでのワークショップの実施、維持管理マニュアルの作成等のソフト支援業務に取り組んでいます。